風景写生の時に同じ所を写真に撮っておくことがありますが、絵に描こうとした感動が写真には乏しく、がっかりすることがあります。また、人物写真をそのまま絵にすると、生き生きとした感じがしない不自然な人物像になります。
なぜこのようなことになるのか、「あまり写真に頼らないように」とはよく聞きます。それは本質的に見たことや描こうとしたものと写真に写ったものとは異なるものだから、ということでしょう。
絵画表現とは何か、写ったものとは何かについて深堀し、創作の一助となる講座を企画しました。
① 写真には絵画にない弱点がある——絵と写真は同じでないし写真は人間が見たままでもない
② 絵画と写真の相剋時代——カメラ・オブスキュラから印画紙の時代へ、日本人にとって写真とは
③ 絵画の奥行きと写真の奥行き——絵の空感は感じている空感だ
④ 写真に頼らなくとも絵は描ける、絵特有の表現になる